四十是四十、十四是十四
台湾に赴任して一年以上経ち、出張も入れると2年ぐらいになるのでさすがに大陸風の「どこでならったの?」とか「土!」って言われることのないような発音で話すこともできるようになっています。
とはいえ、北京放送の潘小菊さんの発音に憧れてあれをお手本にして中国語を勉強した身としては、南方の発音で話すのは忸怩たるものがあるのです。南方のとは具体的には舌を巻かずに話すことです。即ちスースーいうことです。
四十是四十(sì shí shì sì shí),十四是十四(shí sì shì shí sì )という早口言葉(?いや、発音の練習のフレーズ?)がありますが、これがスースースースースー、スースースースースーと全部同じスーになるのです。違っているのは四声だけになります。
ところが、先日会社の台湾人と話をしていて気がついたのですが、台湾人も素食(sùshí )の食を発音するとき舌を巻いているのです。即ち(shí)シーと聞こえるのです。
食品は?
スーピン
四十は?
スースー
じゃあ何で素食はsusi(スぅースー)じゃなくsushi(スぅーシー)て発音するの?
う~ん、言いやすいから。
そうなのか。suのあとのshiは発音しやすく、si(スー)の後のshi(シー)は発音しにくいからsi(スー)となるようです。ほんまかいな。
そのほかにまた会話をしていて疑問に思ったのは「法國」なのですが、大陸ではfǎ guó ですが、台湾ではfà guóなんですよね。なぜ?って訊いても何が何故なのかわからないみたいで、
じゃあ法律はfà lǜ なのか?
と訊いたら訊いた意味がわかったようで、
fà guóは言いやすいけどfǎ guóは言いにくいからと。
だいたい語学で「言いにくい。」とか「語感」とかいう答えはつまり「わからない。」と同義です。
じゃあ、語言は?と訊くともちろん「yǔ yán 」と答えるのです。この「yǔ yán 」というのは私が初心者だったころ非常に言いにくかった発音で、留学先を北京か上海か選択するのに北京なら北京語言学院にするところ、言いにくいから上海外国語学院を選んだのです。どこの大学に通っているのかと訊かれたときに答えることを想定すると語言はハードルが高かったのです。だから確かに初心者に3声2声というのは発音しづらいというのはわかりますが、「yǔ yán 」がフツーに言えるネイティブが「言いにくいからfà guó」というのはないでしょう。