ミスナール体感温度
台北は真冬でもそんなに寒くないので、私は部屋のエアコンの暖房は使ったことありません。まあ必要ないです。上着も綿や羽が入ったものは必要なくGジャンがあれば事足ります。真冬でも大抵は長袖のダンガリーシャツでも羽織っておけば充分なのです。
昔の体脂肪がヒトケタだったころは寒さに弱かったものですが、フツーに筋肉と脂肪が付いていると寒さには強くなります。
台湾の人は大袈裟に寒がるのでもう既にウールのコートを着ていたりダウンを着ていたりします。その横で私は半袖で汗かいて電車に乗っていたりします。
で、台北の人の言い訳で、湿度が高いから気温以上に寒い、というのがあります。けっこうみんな言います。
いえ、フツーは湿度が上がると体感温度も上がるものです。ネットでもエアコンの暖房の解説でそういうのに幾つもヒットします。だのに反対のことをいうヒトが多いのはなぜなのでしょう。
ネットで「湿度」「体感温度」等を入力して検索するとよく出てくるのがミスナール体感温度です。元のミスナールの式は以下の通りです。これだと摂氏10度未満でかつ湿度が80%より高い時には体感温度が下がることになりますが、一応これは低温下では適用されないとされています。
*気温(℃)を T、相対湿度 (%) を H、風速 (m/s) を v とする。
下は補正された式で低温下でも適用されるものですが、こちらだと低温下でも湿度が上がると体感温度も上がります。
ということで、湿度が高いと寒く感じるという台湾人の主張に科学的根拠はないのですが、実は20年以上前に中国大陸に行ったときの経験があります。北京の慕田峪で長城を見てそのあと成都に飛び楽山の大仏を見るために船に乗りました。
確かに北京は氷点下10度以下、楽山は氷点下行くか行かないかというぐらい。だけど、船の中が死ぬほど寒くて体の芯まで冷えました。その時に湿度が高いから寒く感じると言われて、ホントにそうやなと思ったのでした。北京は耳が痛くて堪らなかったけど寒さは耐えられたのです。ホントに楽山が寒かったのか北京は歩いたから暖かくなっただけなのか今となってはわかりません。
とまれこうまれ、最低気温が15度以上ある現在の台北で湿度が高いからより寒く感じるという理屈はあり得ないと思います。