セデック・バレと半沢直樹
先々週ぐらいかな、映画セデック・バレを二夜連続でやってました。霧社事件を扱った映画です。この映画を私は2013年に京都みなみ会館で観ました。金曜の夜中にレイトショーを観に行ったのです。
配偶者に、「レイトショーを観に行って来る」って、言ったら「ああ、もうようならはったんや。良かったなあ。」て。
何と聞き間違えたのかというと「米朝師匠を観に行って来る」でした。
その当時しばらく前に入院されてたので独演会も出来るぐらいに回復されたのか良かったと思ったそうです。回復してもフツー直ぐに夜中には落語せんやろう。
と言うことで、夜中から夜明けまで前後編で4~5時間という長い映画でした。ちなみにその時にくじ引きでセデック・バレのティシャツが当たりました。ちょっと外では着れないティシャツでしたが。
霧社事件とは、1930年10月27日に日本統治下の台湾で起きた暴動事件です。日本人の警官が原住民族(日本語では先住民族)の若者を殴ったことをきっかけにして、服従を強いられていた台湾の原住民族(日本語では先住民族)が武装蜂起したというものです。
台湾のヒトは親日だと思ってたけどこういう映画を撮るということはそうでもないヒトもいるんだなあと思いました。でも、この魏徳聖て監督は海角七号の監督なんですよね。
2018年に今の仕事で台湾に来たときにちょうど旧正月前最後の出勤日にある会社に用事で行ったらそれが昼前でそのまま鍋をするから一緒に食べて行けと言われて御一緒したことがあります。その時のそこの社員(というより共同経営者みたいなヒトでしたが)にとてもくせのあるヒトが居て、台湾人が皆親日だと思うなよ。と言われたのでした。その時にこの霧社事件のことも言われたし、「まあ、親日みたいに見えるのは、あとから入ってきた奴等が悪かったから比較の問題で、前のがマシという風に思ったからやな。」とも言われたのを覚えています。
映画の話に戻ると、まあ気分の悪い映画でなんでこんなの撮ったのか?と思いました(ただ単に殺戮シーンが多かったからですが。)。だから今回もテレビでやっていたのを全然観る気はなかったのです。ところが今回ちょっと点けてみると意外と面白くて結局2日とも全部観てしまいました。
面白いというのは違うかも知れませんが途中で止められなくなったのです。しかし、ディーン・フジオカまで出てたのは知らなんだ。
ほんで、まあ今回は地理的なことももちろんそれ以外も台湾について多少前回よりわかってるため面白いということもあるし、二回目だと出演者もよくわかって日本人役はもとより温嵐もビビスーも最初から気づいてしまいました。
ところで、話は変わって日本から少し遅れて半沢直樹も台湾でやってましたが、前のヤツも観ていなかったし、今回も私はほとんど観ていませんでした。でも、最終回とその前の合計2話だけ観ました。そして森崎が国税に飛ばされる回の週末が明けた月曜日に二人の台湾人から別々に
「森崎はええヤツなのか?悪いヤツなのか?」
と訊かれたのです。ヒトの評価なんて立場によっても違うし時によっても違うので、ええか悪いかなんて簡単に割りきれるものじゃない。エエときもありゃ悪いときもある。職務に忠実なあまり相手には極度に嫌われることも有るけど、それは悪いと言えるのか?とかそんな余計なことは答えず。
「知らんがな。」
と言っておきましたが、そう言えば中華モノは映画でもドラマでも勧善懲悪が多くて善と悪がハッキリしてるかな、と。成語で言うと邪不壓正です。違うか。
私の好きなイップ・マンでも日本と英国、それから最後は米軍もパーフェクトな悪で、それらには少しの良心もなかった完全に悪役、関西弁で言うとワルがただったような。
ということで、思い返して観るとセデック・バレの日本人の中には理性的な日本人も描かれていてまだマシだったのかなと思いました。そう、ステロタイプな悪役だけではなくちゃんといろんな立場から細部まで描かれていたと思いました。