台北の自転車海苔

海外生活は上海に4年、シンガポール2年、そして台湾はだいたい3年近く居て2021年3月に帰国しました。

AI 美空ひばり

 

 AI 美空ひばりの番組を以前NHKスペシャルで観て、まあ歌自体にはけっこう感動していたのですが、これは面白い話だなあと思って観ていました。

 先日またNHKのあさイチで東京の博物館かどこかで、しばらくの間このAI 美空ひばりを観ることができると言っていたので思い出しました。

 このNHKスペシャルはみんなけっこう感動したという感想が多くて、気持ち悪いとか否定的な意見を凌駕していたと思うのですが、それはなぜかというのを考えました。ある程度やはり気持ち悪いという意見と、こんなことをしてもイイのかという否定的な意見はあってしかるべきな気がしますが、おおむね受け入れられたのはそこまで映像のクオリティが高くなかったことがあるのでしょう。

 それはイイとして、私が思ったのは、今回は秋元康氏が作詞して、佐藤嘉風氏が作曲したということでしたが、AIが曲も作るという未来を想像してみたのでした。音楽というのは盗作問題が象徴しているように、音符の組み合わせというのは有限であるから曲もまた無限に作られるわけではありません。

 作詞はともかく曲自体はAIでも作れるはずで、イイもの、感動を呼ぶ大作も当然作れるワケです。更に進めば、1曲数分の曲ならそれこそ数分で作れる未来も来るんじゃないかと考えてしまうワケです。

 むかしシンガポールのディックリーが香港のヒット曲を量産していた時に「香港のヒット曲なんて数分で作れる。」と言って叩かれたことがありました(この発言は誤解だったそうですが)が、実際にそうなったときには本当に我々はどう感じるのでしょうか。音楽に対して有難味がなくなって興味をもたなくなってしまうのでしょうか。

 

 むかし、筒井康隆氏の短編のSFに「超能力・ア・ゴーゴー」というのがありました。脳科学者が自分の息子の脳に外科的な手術をして音楽の天才的な才能を開花させるという話でした。クラッシックの作曲家で指揮者でかつロックミュージシャンとして世界的に成功するのですが、ふと漏らしたヒトことで世界的熱狂が冷めてしまうというモノでした。

 その一言がまさにディックリーの言ったの同じような言葉だったと記憶しています。この天才にかかると作曲がいかに簡単かという発言でした。


 同様にAIが数秒間いや、数分間でも数日間でイイのですが、今後生み出されうる全ての音楽を作ってしまうようなことがあったら、音楽なんてもう見向きもされなくなるのではないかと思ってそれが恐怖なのです。

 

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