敬語~現代中国語における敬語とは
現代中国語には敬語はない(少ない)と言うけれど、フレーズを長くすればするほど丁寧になる、と私の中国語の先生がよくおっしゃっていました。そう、日本語でも同じですが、話す言葉を長くすればするほど丁寧になるのです。
どういうことかというと、「これやってください!」 というより、「恐れ入りますが、もしよろしかったら、これをやっていただけますか? 」という方が丁寧になるということです。
麻煩你, 如果不介意的話, 你能不能幫我做一下?
という方が丁寧でしょう。
なんでこんなことを言うかというと、台湾の食べ物屋さんではたいてい料理を注文すると店内で食べるかテイクアウトかを訊いてくるのです。日本だったら、
「お持ち帰りですか? それともこちらでお召し上がりになりますか? 」
と訊くと思いますが、台湾では
「内用外帯?」
と一気に訊くことが多いのです。
正しくは「内用還是外帯?」ですが、何れにしても短い。そんなに喋るのが面倒くさいか?と思います。
シンガポールだとさらに短い。
「吃嗎? (食べる?)」
と訊きます。
一番最初にこのことばを聞いた時に意味がわかりませんでした。食べるから注文しているのにどういう意味かと。これもせめて「在這裏吃嗎?(ここで食べるか?)」でしょう。
寒い地方なら言葉が短くなるのもわかります。たとえば世界一短い会話として有名なのは津軽の会話です。
「どさ?」
「ゆさ。」
これはどこへ行くのか訊いたヒトに対して銭湯に行くと答える会話です。
しかし台湾もシンガポールも南国です。寒くもないのになぜ言葉が短いのか。
「請問,你要内用還是外帶?」
まあ接客業ならこれぐらいは言ってほしいものですが、毎日いやというほど「内用外帯?」と訊かれ続けています。