台北の自転車海苔

海外生活は上海に4年、シンガポール2年、そして台湾はだいたい3年近く居て2021年3月に帰国しました。

桃姐


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ネタバレ注意です。

あらすじは以下のリンクをご覧ください。

 

www.cinematoday.jp

 

 先日の一時帰国時に飛行機の中で観ました。2012年の映画なんですね。往復でじっくり観ました。往路は広東語音声を選択したのですが、字幕がとても小さく(中華航空のモニターが小さいのか)見にくくて苦労しました。だから復路は音声をマンダリンにしました。

 

 テーマがテーマなので非常に身につまされる思いでみ観ました。でも、なかなか面白くて良かったです。最初は華仔も使用人に対する態度だったのに、段々と優しくなっていくところが何とも言えず良くなってきます。試写の時にはしゃぐ桃さんもとても可愛いし。最初は使用人に対する態度が、といいましたが、桃さんの若主人に対する態度は敬語のない中国語だとあまりかしこまっていなくて、そのあたりはネイティブでない我々には少し違和感があります。中華系のヒトの上司に対する態度があまり畏まって見えないのと同じです。

 

 あと、桃さんが他のヒトに華仔との関係を訊かれて「乾孩子」だか「乾兒子」だかと答えるのですが、これが我々にはわかりにくい概念で、「乾」はよく「義理の」と訳されるのですが、「義母」と「義理の息子」というのではなく中華系の場合「育ての親」のことをこう言ったり、また母の姉妹のことであったり、母の親友や、母と関係がなくても本人同士で「乾」の肉親関係を結ぶということがあったりします。私の上海の友人も「乾媽」と紹介されたヒトが全く血縁関係がないけど上海での母親代わりみたいなヒトだったということがあります。

 

 もう一つ、20年ちょっと前の張震嶽という台湾の歌手の歌で、「乾妹妹」という曲があって、これは浮気が彼女にバレて「いや、あれはただの乾妹妹。さっき知り合ったばかりの乾妹妹。」みたいな言い訳をする歌詞が出てきます。

 

 印象に残ったセリフは、下記の2つです。

どちらも伏線を拾ったセリフですが、先のは時間をかけて、後のはすぐに拾います。

 

華仔 :  我像開出租(的士)的嗎?我是做空調的。

これは映画のプロデューサーといってもいわゆる業界人っぽくない華仔は受付嬢にエアコンの修理に来たサービスマンと間違えられるのです。で、それから随分して桃さんと食事に来たレストランで今度は店頭に停めているタクシーを移動させろと言われて「俺がタクシーの運ちゃんに見えるのか? 俺はエアコン修理工だ。」と言うのです。

 

桃 : 你為什麼不喜歡?

華仔 : 腥呀!

 これは桃さんが若いときには魚屋の某さんとかその他幾人かの男性から追いかけられたのになぜ結婚しなかったと訊かれて桃さんはテレながら「他们腥。(彼らは生臭かったから。)」と答えたこのが伏線になっています。更に冷やかして魚屋以外のヒトも生臭かったのかと問うワケですが、そのあとすぐに桃さんも仕返しに独身の華仔にもなぜあの娘と結婚しなかった?と訊いて華仔が返した答えがやはり「生臭かったから。」でした。

  こういうセリフのやり取りなんかがしみじみと面白い映画でした。

 




 

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