台北の自転車海苔

海外生活は上海に4年、シンガポール2年、そして台湾はだいたい3年近く居て2021年3月に帰国しました。

イップ・マン誕生~葉問 前傳

 イップ・マンシリーズは1~4までド兄さん主演ですが、それ以外に違う俳優によるこの前傳と外傳(マックス・チャン)、終極一戦(アンソニー・ウォン)があります。グランドマスター(トニー・レオン)もそうと言えるかな。


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葉問 前傳(イップ・マン誕生)

 

 その中であまり日本では知られていないこの前傳(イップマン誕生)ですが、けっこう私は好きです。

 

 全体のストーリー的にはちょっと荒唐無稽過ぎたりするのですが、細かいところで好きな所があります。

 

 それは留学先の香港で梁壁に詠春拳を習うところ。かなりお歳を召した薬屋の老闆(本人は老闆じゃないと言っていますが)が実は梁壁でひょんなことから梁壁に師事することになります。梁壁というのは陳華順の師匠である梁贊の次男です。 陳華順というのは葉問の師匠です。梁贊の次男(長男は病死)であるのになぜか正統な継承者にはならず陳華順の方がその継承者となり梁壁の方が異端的な扱いを受けることになるのです。その梁壁と葉問のやり取りが以下です。

 

師傅說詠春是手打七分 腳踢三分 專攻下三路

 これは、詠春拳は手の攻撃が七割で脚が三割。そして蹴りも腰より下への攻撃だけだという意味で、葉問が梁壁に対して言います。あなたのそれは詠春じゃない、と。

 

これに対して梁壁がこう答えます。

 

伝統的詠春拳是以手為主但是不可以一成不變

變化了的詠春,變得更加靈活

有腳法 有摔法 一招多用 招招實用

 確かに伝統的な詠春は手技が主体だ。しかし一切の変化を否定してはいけない。変化した詠春は更にフレキシブルに成る。蹴りも有れば投げもある。1つの技に色んな用途がありそういう技がたくさんあれば実戦的になる。

 

これに納得して葉問もハイキックに肘打ちまで修得するのです。もちろん持ち帰って兄弟子の呉仲素(ユン・ピョウ)にキレられますが。

 

 それから、この前傳の主演の杜宇航はこの映画の為ではなく元々詠春使いなので観ていてホントに正宗な詠春なのが気持ちがイイ。一方ド兄さんは元は詠春使いではなくこのイップマンシリーズの為に詠春を修得したのです。だから他の映画では詠春を使わずに格闘しています。

 

 そういう意味では詠春拳好きにはこちらの前傳の方が楽しめる気がします。サモハン・キンポーとユン・ピョウが目隠しをして組手をするシーンも出てきてニンマリします。

 

 その他にキャストでいうと、梁壁の役が実際の葉問の長男の葉準です。

 また「葉問1,2」にも出ている樊少皇が出ていますが、ワイルドな髭面ではなく一応ナイーブそうな青年の役で初めは笑ってしまふ。

 

 ちなみにこの杜宇航(デニス・トー)も「葉問1及び2」に出ています。全くイメージが違うので気が付きませんでした。2では葉問の弟子に絡むチンピラの役です。


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「葉問1」では樊少皇が切磋(道場破り)に葉問宅に押し掛ける時の手下の役です。

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「葉問2」では葉問の弟子に絡むチンピラ(洪金寶の師弟)役。

 

また佛山武術協会だかなんだかの会長役(暗殺される)も本当の詠春拳の達人で実は私は教則本とDVDを持っています。


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    ということで、この「葉問  前傳」DVDでしか観ることが出来ないと思いますがおススメです。台湾のテレビでも「葉問1~4」と「外傳  張天志」はよくやっているのですが、前傳はやらないですね。

 

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