印矩(印章を綺麗に押すために)
台湾で仕事をすると押印する機会がけっこう多いですね。シンガポールではサインだけだったのですが、台湾は印章を使います。個人の丸い認印ではなくて社印と、個人印も落款みたいな四角くて大きなヤツです。
押そうとすると印泥が練れていないのか真ん中が抜けたり、また認印用の印肉なら余計にインクが乗りにくかったりしてうまく押せないことがままあります。
そんなときに押し直すとズレて失敗して結局もう一度書類を印刷し直したり書き直したりして手間がかかることがあります。
そこでこういうのを使います。これは落款用の印矩というガイドです。黒檀製の木枠ですが、押したあとに薄かった場合は印泥につけてこの枠通りにもう一度押し直せばズレずに綺麗に押せます。
これは色紙以下の小さい絵に押すための落款です。これでテストしてみます。
まずはこうやってガイドにきっちり付けて押します。
ところが、しまった! 印章を外すとこのとおり薄かった!
そういうときは印泥にもう一度付けて押し直します。
ほらこのとおり、綺麗に押せました。ズレていません。
それだけ。
ちなみにこの印矩は日本で千円ぐらいの安いものですが、台湾にも売っているんじゃないかと古亭の駅前で探してみました。駅前のCoCoの並びにちょうど2軒書画のお店があるのです。一つ目は書画の店というよりは高級そうな印材や宝石みたいなのが主体のようで置いてないと言われました。
もう一軒は書道の道具から画材まで幅広く扱っているお店だったので訊いてみると探してくれました。結局売れてしまって今はないとのことでしたが、やはり台湾でも置いているところはありそうです。って、誰も買わんかな。でもホント便利ですよ。
ちなみに中国語でなんていうのかわからなかったのですが、「ハンコ押すときの、框 (kuang4)」と言ったら通じました。「ああ、木頭(mu4tou)のやつね。」と言われました。