帰郷(危篤電報を受け取って)
中学の頃によく聴いていた井上陽水のライブもどりみちというアルバム。それに(も)入っている帰郷という曲はサブタイトルが「危篤電報を受け取って」で、今回はそれをずっと口ずさんでて思ったのは、当時はのどかな田舎の曲だと思っていたのに、実はとても物哀しい曲だなということでした。
間に合う筈がないと思った飛行機にも間に合って無事に夜中に帰宅して、その後長岡京の病院に行き父に会いましたが、9月1日の夜9時24分に父は永眠しました。享年86歳でした。
夜遅くになくなってその後葬儀をどうしようか、それよりどうやって実家に連れて帰るのかと途方に暮れたのですが、友人の花屋さんに電話して葬儀屋さんを紹介してもらい実家への引き取りの後葬儀の相談をして翌2日には菩提寺のご院さんのアポを取った上で葬儀屋さんと再度打合せをして3日に無事に家族だけで葬儀をすることができました。
持つべきものは花屋の友人か葬儀屋の友人です。ガス屋は全く役に立ちません。本当に感謝しています。
その他にも今回はいろんなヒトの優しさが心に沁みました。
1. 台北の自宅から空港まで乗ったタクシーの運転手さん
16時50分ぐらいにタクシーに乗って18時35分の飛行機に乗ろうというのだから無茶にもほどがあります。そのうえ高速道路は大渋滞。渋滞を抜けてから、他の車の間を縫うように走ってとんでもない速さで運転してくださったおかげで17時半に桃園空港に到着しました。チケットはタクシーの中でネットで購入しました。別に父が危篤だからと運転手さんに言ったワケではないのですが、車内で電話をしていた様子から只ならぬ気配を感じ取ってくれたようです。
2. ピーチのチェックインカウンターのお姉さん
慌てて手当たり次第に着替えや何かを詰め込んだリュックが手荷物の制限重量を3キロも超えていたのに「ペットボトルのお茶を飲むか捨てるかして荷物の減量してくださいね」と見逃してくれました。この言い方がまた粋じゃないですか。3リットルものお茶を持っているワケないのに。
3. 日本にいる愛犬
いつもは私の寝相が悪くて圧し潰されるのを嫌がって寝るときには近づかないクセに葬儀が終わった夜にはぴったりくっついて寝てくれました。この犬はこういうところがあるのです。
4. ヤモリさん
4日に実家から帰ろうと最後に位牌に手を合わせようとしたとき祭壇の上に現れたヤモリさん。家を守りに来てくれたようです。
また、6日の朝方3時に台北の自宅に帰ってきたら、ここにもヤモリさんが来てくれました。実家で会ったヤモリさんかと思いました。実家では初めて見ました。台北でも恐らく初めてです。インドネシアとは違ってしょっちゅう見かけるようなモノではありません。偶然ではないのでしょうね。